君の頬に寄り添うイヤリングは、 知らない蒼。 あの映画に合わせて伸ばした髪も、 今はずっと短い。 君と会うたびに理解する。 あれが最終回[ラスト] だってことを。 君は新しい香りに惹かれてく。 ここに僕を置いたまま。 君に恋の傷跡をつけて、 僕の中に閉じ込めていたい。 それが最低な 僕のひとりよがりって、 わかってるんだよ。 あの時、誰にも渡したくないと、 僕からつけたキスマークは、 君のどこにも見当たらない。 僕の好きな君は、 もういないんだね。 彼の話をする君には、 見覚えがある。 楽しそうで、大好きを隠せない。 あの頃と変わらないね。 君が描き出した幸せを 祝う気持ちはあるのに、 どこか 現実じゃない銀の幕みたいだ。 そんな自分が許せない。 君が誰も愛せなくなって、 僕じゃなきゃいけなくしてみたい。 そんな都合のいい悪役のような 恋を、 夢見てしまう。 あの時、愛を確かめるように、 君からつけたキスマークは、 僕の心に痕で残る。 君が好きだった僕は、 まだいるよ。 ふたりで観てた映画の続編[つづき] が来ても、 僕は前作のワンシーンが 忘れられないでいる。 僕はどこにもいけないままで、 君は知らない誰彼[だれか] のもとへ。 そんなエンディングをまだ受け 止めきれないよ。 僕を置いていかないで......。 最後を予感したような、 午前0時のキスマークも、 いつか嘘みたいに消える。 僕も今夜は、 続編[つづき]を観てみるよ。