夕焼けにため息を濁らせた 一万メートル上空の 旅客機を眺めながら だらしないデラシネは頭だけ抱えて 「どこにここだ という場所があるの?」 気付くには傷つくしかない 涙の数だけ強くなれるのは 子どもの頃だけ 笑い飛ばせ、笑い飛ばせ、 笑い飛ばせで 飛んでいったかい? 憤りはもう草臥れたのか? 思いがけず思い駆け巡る 取り残された夏 走り出せぬ秋 立ち止まる冬 つぎの春は、つぎの春は 新しく笑おう 「なあ、前にお前が得意げに話して いた話だとさ、もし光の速さで走れ たとしたら何も見えなくなって、 そのまんま何かにぶつかったら 大爆発するって話で、 そういう話をまた聞かせてよ」 新しいことを探している その心がもう新しいのさ 毎日毎日毎日を 変えたいって思っていたいよ いつもいつでもいつまでも そして涙は獣のように 抱きまくって今夜こそは 希望を孕ませるのさ 孕ませるのさ