静かな部屋 針の音だけ 閉じた窓の向こう 歌がゆれる 夜風にまぎれた ほつれた夢が 見上げた空に リズムを描く ひとりでも きっと届く 曇った空を こえてゆける まだ見ぬ空へ 指を伸ばし 誰も知らない 光なぞって ひび割れた胸 奥のリズム 信じた道を 今 歩く 錆びた標識 雨にうたれて 初めて見る街 懐かしくて 遠くで響いた 誰かの歌が ためらう心 抱きしめた 振りかえるたび 小さな 灯(ひかり) ちゃんと 足元 照らしてた まだ見ぬ空へ 風を抱きしめ まだ知らない 夢を編みながら かすれた声を 翼に変えて まだ見ぬ空へ 今 羽ばたく 誰かが呼んでる 未来のどこかで 忘れかけた名前を そっと呼んでる その温もりに 触れたくて わたしは 歌う まだ見ぬ空へ 声を重ねて 何度でも 生まれ変われる この胸のリズム 鳴らしながら まだ見ぬ空へ 今 旅立つ まだ見ぬ空へ――