夜更けと混ざった 霧が立ち込める船上に 堂々と手を振った君に ただ侮蔑の目向けた 大声で詰った 喉の痛みなんて気にもせず 懸命に見縊った だけど これは一種の羨望で 悪気なんか無いさと謳った 独りごちた でもね嘘だ やっぱりね 傷付いてたらどうしよう まさかぽっくり逝ったらどうしよう なんて 急ぎ舟を漕ぎ出して 追い掛けるも夜 霧に阻まれて ここにはもう居ない その先にも居ない 目指してたものが 違いすぎたのかい そんな筈はない 共に生きてた そうこの舟も一緒に編んだ 今にも沈みそう でも沈めないよ 夜明けと混ざった 霧の壁が飲んだ小型船 明かりも持たず飛び出した 誰も僕を探せないんだ 百も承知さ 解ってたんだ 僕はまだ岸からさ出たばっかりで 戻れないなんてどうしよう 二度と会えなかったならどうしよう なんて弱音吸っては吐き出して あの夜に君は 旅に出たけれど 僕は残ったよ 街に残ったよ それが過ちか正解なのか 決めあぐねてるんだよ 僕独りだけじゃ軽すぎるのか 君が乗るまで沈まない舟 目指してる場所は ずっと同じだね 君と生きてたい 共に生きてたい そう独りで一緒に向かおう 失うものがない未だ見ぬ場所へ また会えたね 僕は手を振った