黄昏た駅への道 僕は偶然を装って ステンカラーコートをなびかせて あの人に駆けていった 人がやけに多いくらい あとは故郷と変わらない気がして 東上線の町であの人の泣いた顔 笑った顔を覚えていった いつまでいたわりあって ふたり生きれると思っていた 子供の頃に ブラウン管で見ていた東京とは違う 何故かとても懐かしい 町並みに紛れ込み ランドセルに背負われてか あの人が通った坂道を越えて 桜 青葉 汗をぬぐい 満たされた日々は過ぎた あの夜「別れ」をのせる 上りを待つ いつものプラットホーム あの人の心には僕はいなかった 知っていた消せない心の闇も ふたつの寂しい心があるのに 何故に重ねてくれなかったの ひとり暮らすには 広くて何もない部屋で 眠れず薬噛んで 夜の果てに追いやられ 誰かを待っていたの? もう一度生まれ変わり逢えたら 眠れぬ夜は朝まで話そう やっと深い眠りにつけて 幸せだったの? 何が起きても 次はそばでささえるよ 急行が過ぎる町で