さよなら 旅立つ朝 窓辺に飾った一輪挿しの花は 淡く色づき 見守るように あなたの横で咲いている 「また来るよ」振り返ると 子供みたいに小さく振るその手は 肩落とす帰り道 何も言わずに 頭をなでてくれた手 古びたソファーに座り 木漏れ日の中 何を思っているの 駆け抜けた道 出会った人達 計り知れない日々 水面に映る 煌き見ていた 眼差し 独りで 独りで全部抱えて いつだってそんなふうに笑って 少しは 少しだけでも出来ることなら あなたに返したい「ありがとう」 空と海の間に吹いた 想いよ 羽ばたいてゆけ いつかは去りゆく運命 真っ白な光となり 還ってゆくのだろう 誰かのためにと がむしゃらに 生きた 姿が眼に焼きついている 独りで 独りで全部抱えて いつだってそんなふうに笑って 少しは 少しだけでも出来ることなら あなたに返したい「ありがとう」 空と海の間に吹いた 想いよ 羽ばたいてゆけ さよなら 旅立つ朝 窓辺に飾った一輪挿しの花は 蒼く色づき 問いかけるように あなたの横で咲いている 元気でいてね もう一度そっと 握った 小さくなったその手は 肩落とす帰り道 何も言わずに 頭をなでてくれた手