誰にも気付かれないように 家を出た真夜中に 寝静まった街を観た時 大人になれた気がした 星の代わりに降った雨が 金木犀散らして オレンジに染まる公園で 「久しぶり」と笑った この夜が明けてしまえば君はもう 遠くの街へと離れてゆく この街で居場所を探してた君の 居場所に結局なれなかった 何一つと君の願いを 叶えられなかったのに 「有難うね」と何度も君は僕に言うの 同じ傘の下 ビニール傘の雨粒が星みたいと君は笑う 終わりが見えてる幸せは苦しい 空が少しずつ白くなってく 電車の窓越しに笑う君の頬に涙が伝う 「またね」と君は手を振り続ける 君を邪魔してしまうから この想いは告げなかった 僕は手を振る さようなら、僕の大切な人