吸い込んだ九月の風に 夏の匂いが混じっていた 言い淀んだことば、全部 体温で溶けてしまう。 「このまま何もかも 間違えていようぜ」 なんて、 くだらないことを考えてる。 窓際、カーテンを伝う 午後の光が揺れている おもわず可笑しくなるような、 なぜだか涙が出るような、 心をあたためて。 日が短くなるのが 堪らなく寂しいと思った ずっと昔の会話を 思い出したりした。 「このまま何もかも 無くなっちゃえばいいね」 くだらないことを考えてる。 真夜中、彩度を奪う 街並みが網膜を揺れている 「そばに居てくれるなら、 後は何だっていいや」 そんなことを考えてる。 いずれ朝が来て、 毎日が続いていく いつものように笑って、 いつも通り生きていよう。 吸い込んだ九月の風に 夏の匂いが混じっていた 言い淀んだことば、全部 体温で溶けてしまう。