彼女に会う時わたしは 雨の似合う小説の主人公を見てる 気がする 大人で女性で素直で奔放で 孤独で、、 凛としていて まるでお水みたいにワインを 喉に流して 食事は少し控えめでよく飲んでよく 笑って いつでもなんでもわたしの 味方でいてくれて この人になら何を話してもいいと 思わせた 〝絶対なんてない〟が口グセだった 沢山の男を虜にした 慎重になっているところなんて 見たことがなかった それが正解か不正解かは そっと後で事実が知らせた わたしは彼女の過去は知らない 未来も到底予想できない ただ彼女と彼女を取りまく 何もかもが いつもいつも大好きだった 彼女とわたしは時々 JAZZの演奏を聴きに電車で出掛けた 話に夢中になり過ぎて乗り 過ごしたり ライブの後も 夜中の2時をよくまわった 彼女はわたしの孤独の形を 知っていた 目に見えないものをわたし達は 共有していた そしてそれをとてもとても 大事にしていた なんでも話せたけどなんでも話す 必要がなかった 〝絶対なんてない〟が口グセだった 沢山の男を虜にした 慎重になっているところなんて 見たことがなかった それが正解か不正解かは そっと後で事実が知らせた わたしは彼女の過去は知らない 未来も到底予想できない ただ彼女と彼女を取りまく 何もかもが いつもいつも大好きだった 彼女に最後に会ったのは 雨の降る週末の夜 世界はまだキラキラしていた