体裁を振るうな麗し君よ 我が意を得たりや準ぜよ排卵野獣の ように 等閑の暮らしも昔の話根無し金も無 し 絡まる正の螺旋 案ずるな将来今に見ていろ たわけだらけの街見上げれば満ちて ゆく 月が空の隅 所在なさげに夜を彩る 知っていただろう 全て分かっていたでしょう でも高鳴る胸はなぜかしら 生まれてきたこと嬉しく思える変わ らない今がこのまま 死ねる時までの階段を 音を鳴らして駆け上がる 長い息ひとつ吐き出して 百年経っても今のままだよどこも行 かず何も要らない この日々よ永遠なれ 手一切振るな黙って帰るなら もう二度と会わないつもりじゃない けど寂しいだけ あなたが設けた例外は胸の中 生涯移ろわない歯痛のように眠れな い夜 聞こえてるかいこの人生は全て君の もの なんてよく言うぜ 本当のところ忖度する心情 このまま二人でどこまで生きられる 寄る年波に攫われて いくつになっても馴染めない場所で 世間と折り合いをつけて 銭得る為なら苦悩も売り物ね 今日も一日が終わってゆく 光の如し また夏が来る 巡る季節 交わした約束も未だに未使用のまま 冷めない熱に溶けてゆく 一生分の愛してるを君になんて言葉 を居酒屋で 溜め息とともに吐き出した