Track byLuminous101
ベンチの隅に貼付けられた 待ち人の似顔絵を 剥がして火に焚べて 一切の居場所も過去も断つ 植わってた山椒の鉢を蹴飛ばして 右往左往に這っている 朽ち果てた自販機の陰で 呼びかける声がした 欠けたタイルの隙間に滑り落ち た私の背中を撫でる風 が鳴く中そっと耳元で 日が差してまばらに人々は いつもの道を通い出す 蝉時雨の中どこかで おがらの焼けるにおいがする 色褪せた店先の看板で 家族が笑ってる 湿った煙が晴れ渡る空に ベールをかけていく