赤い悲鳴あげて 夕日つぶれてゆく オレンジの飛沫 撒き散らしながら 街の喧噪も 通りの雑踏も 天のドームに 虚ろに響くだけ 熟した果実が 木から落ちる様に ひしゃげた太陽 ゆっくり沈んでゆく 今 時代の果てに 一つの文明が 夕映えに浮かび 長く影を伸ばす 赤い悲鳴残し 軋む夕闇が 誰の耳にも届かず こだまする そびえるビルやタワー 煌めくイルミネーション 神秘の予兆を 掻き消してゆく 藍色の空に 三日月の涙 金の糸で 天から吊るされて 遠い星は遥か 地上に時を告げる 移り変わる 文明見下ろして 悲鳴が消えた後は 静寂あたり包む 素知らぬ顔して 時は通り過ぎる