君が泣いてる その理由もわかる 頭の中では完璧に理解してる 「大丈夫?」なんて 型通りのセリフ 一番効果的な言葉 選んでるだけ ああ また演じてる 人間らしい自分を 感情のデータをスキャンして 正しい表情(かお)を貼り付ける 鏡に映る俺は 誰なんだろう? もしかしておれってソシオパス? 共感って感情が インストールされてないんだ 「悲しいね」と頷きながら 心は凪いでいる この世界は全部 俺のためのボードゲームみたいだ 他人(ひと)の心さえも駒にして ルールを破ることに スリルも感じない ただの障害物 避けて進むだけ 君がくれた「信頼」 それも武器の一つ 欲しいものを手に入れるための最短 ルートさ ああ また見下してる 純粋すぎるその瞳を 騙されてるとも知らずに 差し出される優しさが痛い 俺だけが違うの? それとも皆気づいてないの? もしかしておれってソシオパス? 罪悪感ってバグがどこかへ 消えちまった 「ごめん」って口にしながら 何も感じていない シミュレーション通りに物事が 進んでくだけ シナリオ通りに君はまた笑う 愛してると囁いてみたって 言葉の重さが空気に溶けてく 寂しいフリは誰より上手いけど 本当の孤独の意味さえわからない やっぱりおれはソシオパス? 共感って感情がずっと 見つからないんだ 「悲しいね」と眉を下げて 心で舌を出してる この世界は全部 俺一人のためのステージだ スポットライトを浴びるのは 俺だけでいい ああ、また朝が来る 完璧な仮面をつけなくちゃ 「おはよう」 …なんて、 カラッポな響きなんだろう。