白線とアスファルトの 濡れた臭いにむせるたびに 大きな、だけど惨めな 背中で語る男の性 通り過ぎる生きた歩幅と 歪んでゆく己の足跡は 雨に打たれて何も残らず 秋の空は思い通りにいかない 歩む意味なんて必要ないなんて 格好つけているけど お前はもうがむしゃらに 生きることもできないほど 失うことに怯えている 今はもう家路の 方角さえ忘れて 男ってそういうもんさ 歩いた道は酒と涙で 忘れることしかできない 不器用な生き物さ もう一軒はしごしよう 今日は何もかも飛ぶ一杯をくれよ 汚れた人の想いと それを包む人の優しい歌は いつからか手持ち無沙汰で 持つ酒のあてにもならなくなった グラスに溺れていく己の顔を眺めて 無理に笑ってみたりもした お前はもう人の目から離れた 汚くて自由な捨て猫さ 今はもう家路の 方角さえ忘れて 男ってそういうもんさ 歩いた道は酒と涙で 忘れることしかできない 不器用な生き物さ もう一軒はしごしよう 今日は何もかも飛ぶ一杯をくれよ