夏の匂いが頬を撫でる 日が落ちたいつもの河川敷 浴衣姿の君は何故か いつもより綺麗に見えた 伝えたいことも 伝えられない意気地なしの 沈黙と雑踏をこの夜空を切り 開くように今 花火が上がって消えてゆく 何十回何百回咲き乱れてく 最後にきっと言わないと 八月の夜に溶けた花火 煙い空気と火薬の匂い 頬が赤く染まる横顔 君は手を伸ばせば伸ばすほど 届かない消えちゃいそうな存在 ねぇ君がいつかきっと恋をして 誰かと幸せになるなら その「誰か」は僕でありますように そんなことを願ってたんだ 花火が上がって消えてゆく 何十秒何千秒時が過ぎてく 最後の花びら消えぬ間に 八月の夜へ溶けた言葉 最後に言うよ「僕は君が」