朽ちたる廃城に 住み着いた吸血鬼の真祖 13の名と 不老不死を持つ黄金の髪の少女 「外は危ないですから 街へ降りてはいけません」 メイドの言いつけを破り抜け出した 罰が下ったとでも言うのか 忌まわしきヘリオスの眼に焼かれ 灰になる今際 影が堕とされた あぁ 無垢な顔 その優しさが 恨めしくて でも抗えぬ本能 「ねぇ肩を貸して」 儘 首筋に牙を立てる もう戻れない ヴァニタスの檻を抜けた 苛む渇望の呪いに 欠けた月を満たすように口付けを ごめんね 君はもう死ねないの 醜くて苦しい世界で 夜の闇でだけ息が出来るのよ 「正直」だけが取り柄だった 素直で良い奴だと言われた 騙され奪われ 全てがどうでも良くなって いっそ悪者になってみたかった 日が墜ちれば其処は ノスフェラトゥの庭 忍び寄る蝙蝠の囁き 催眠術の罠にかけて 誘って 攫った 丘の廃城に 「我が主の糧となれ 赤で盃を満たせ」 「どうせまた殺せないでしょ」 貴方は笑う やはり何の才能も無かった 生 温度 未来 家庭 命なんて奪えるはずない 人を辞めても 何も成しえなかった 「君はそれでいい」 それは美しい 何も見えないが其処に 人形じゃない 怪物じゃない 真実に繋がる鍵 叶わなくても 届かなくても 分かり合えずいてもいい 永遠の生 運命の意味 探そうか