夕立 髪は濡れて 繋いだ手は 宙を踊る 夕日を 体に浴び 翼を得て 飛び立つ 夕暮れ 駅のホーム 人の流れに逆らう 勇気が 足りないから 片足 引きずって戻る 駆け出せよ 一歩 繋がれよ大地 あと少し 何故届かない 夢見てる ずっと 叶うはず空想 その声は 反響する 揺らいだ視界 堕ちゆく身体 あなたの肌に螺旋を描く 目蓋開いた 瞳は告げる 刹那に漂う 安息を ゆっくり息を吸って 紡いだ 言葉は掠れて 18時32分 最期の汽笛鳴り響く 神様は知った 私の涙を 溢れては雨音に消える あなたは知らない 私の心を 守るように閉ざしてみる 離れてく声 近づく終わり 握った右手 虚空を描く このままでいい? そんなのは嫌だ 悲鳴のように 空に叫ぶ これほどに存在が 私の中で大きいと 痛いほど気づいた 失って初めて 泣いて走って 人混みを避けて あなたの顔を一目でいいから この先ずっと後悔しない これはお別れ? そんなんじゃない 「君に出会えた、それが幸せ」 私はその一言で幸せ あの夕日が沈んでいくまで 涙隠して笑っていよう さよなら