廃材と寧日 場末を彷徨っていた 君を拾ったんだ 曇天の向こうには 果てしない青があると おとぎ話めいたのさ 君の手を引いて 廃都市を歩いた 「次は何が見たい?」 青む空も知らないままの 君を連れてどこへ行こう 通り過ぎてゆけ 最愛の歌よ ゆくべき先を訪ねるように この世界に 花を手向けるように 逢魔の一刻を 亡き者たちと踊ろうか やがて来るべき 別れの日の為に 週末と夕日 君は大きくなった 曇天の向こう側 果てしない青が見たいと 君は歩き出したのさ 「廃都市を東へ 平原の更なる奥地へゆけ が鳴る冬季雷に跨って あの積乱雲を目指せ」 通り過ぎてゆけ 最愛の歌よ ゆくべき先を訪ねるように この世界に 旗を立てるように 逢魔の一刻を 亡き者たちと共にゆけ やがて来るべき 別れを 愛していよう 君を愛していた証は この世界に君がいないことさ 溢れる歌声よ過ぎてゆけ あの見送った日々を洗い流せ 君を愛していた証と 愛しきれなかった痕跡は やがて来るべき 贖いの日を待っていた 「そろそろ僕の番だ」 通り過ぎてゆけ 通り過ぎてゆこう 最愛の街を ゆくべき先を訪ねるように この世界の 果てを見にゆこう 十一の餞別を手に もう一度旅に出よう やがて来るべき 孤独の 青へ向かう