よる 夢からさめて あの水辺におりてみる はずかしさから のがれるために このしずかな春に あのわずかな音をきく とけだす憂い 闇にしみこむ すこし休んで しばし働けば ヤマネコのような ひとみに出会うだろう まだ実力をもつ この寒さに踊りかけ 唄を口にし 土手をこえてく 夕暮れ時に 橋のたもとで ヘラジカのような 背中をみるだろう そらに色がにじみ 湯気がたなびく 朝もや すそには花粉 だいだいの灯り 冬に出会ったひと 夏はどこへむかうだろう あなたの羽を わたしにつけて 夕暮れ時に 橋のたもとで イヌワシのような かげに抱かれるだろう イヌワシのような かげに抱かれるだろう 月がきえてゆく