お風呂場で気づいた 「ああ、また落っことした」 おかあさんがぼくにくれた いちばんのたからもの 帰り道かもな ひとりだったから 振り返らないで来たから あしぶみ タンタン リズムに乗って ゆうひが 段々 沈んでいくよって 誰にも聞こえない あいうえ 覚えたての合図 ふるえる あの子の手の体温 けとばした小石が 遠い 靴引っ掛けて飛び出した 追いかけっこは好きだから はやる気持ちといの一番に 夜の闇に飛び込むの 帰り道だよな ひとりだったから 振り返らないで探すの 夜空に らんらん 星が光って くうきを たくさん 肺に入れるように 誰にも教えない このまま 歩き続けてって いらない あれこれ溶けていく 僕の手はほんのり 冷える さよなら ばいばい 苦しくないね なんとか 大体 見つけられたから あの子に会いたい 朝日がだんだん昇ってきたら あらたし命のこの鼓動 蹴飛ばした小石は 遠い