Track by石原裕次郎
今日この町は 祭らしいが 俺の心は淋しくて 祭ばやしも 悲しく聞こえる 晴着姿の 娘が通る 朱い駒下駄 鳴らして通る 声をかけたら 優しく笑ったよ 夜は町中 浮かれて踊るが 俺の心は酔えなくて 笛や太鼓に 涙がにじむよ やぐら太鼓に 若衆がはずむ 汗のにじんだ 白足袋はずむ 袖をひかれて 仲間に入ったよ 町は夜更けて 祭も消えた 俺は一人でいつまでも やぐら崩しの 行方を見ていた 人に踏まれた 団扇が一つ 切れた鼻緒の 駒下駄一つ 風に吹かれて 淋しく泣いていた