淡い光がそっと頬を撫でた カーテンを捲り 分かったと答えた 欠伸を飲み込んで 顔を洗う猫背の僕だ 家の鍵は忘れないように 後悔は家に置いていくように 十二月の空 白い息が混ざる 怖くないの? なんて ふと自分に問いかける 眩しくて少し目が痛いな でも大丈夫 飛び立てる 片手で持てるくらいの鞄が 大切な思い出で溢れてる 零れた記憶の額縁を ばら撒きながらも飛んでいけ 不器用なままの飛び方じゃ 飛行機雲追い越せないかなあ? 僕も風になれるかなあ? 羽根がふわっと街に降っていく よーいドンですぐに躓いて 痛い 辛いと言い訳ばかり でも転んだ傷も いつか治ってしまうもんな 「怖くないよ、多分。」 まだ自分に言い続ける 思い描いた偶像を 臆病でも追いかける 格好付けようとしてたのに 練習通りにはいかないな 不出来な記憶の額縁を 確かめながらも飛んでいけ 不器用なままの飛び方じゃ 後ろ指を差されるかなあ? 気にしないなんて言ったのに どうして上手く出来ないかな 忘れないの? なんて ふと弱さが問いかける ヒナの僕が泣き喚いている 忘れたくないと叫んでいる 片手で持てるくらいの鞄が 大切な思い出で溢れてる 零れた記憶の額縁を ばら撒きながらも飛んでいけ この青い空に混ざれたら 君の枕元に羽根を落とす なんでもなかった日常の その向こう側で 思い出してくれるかな 僕はまだ風に揺られている