慟哭重ね揺らぐ古の街並 壁に囲まれた瓦礫の世界 育まれた叡智 赤く塗り潰され 忌まわの歴史繰り返されるだけ 割れた空 戦場は雨を叩き 地底から絶望の槍が突き上げ 轟々と時代 蹂躙する 冷酷な鋼の鳥 狂人の炯眼のような 戦場を照らす光源 愚かなる虚構に 塞がれし未来は 憐れな地の民の 夢と明日が消えゆく 潸然と泣く少女 砂混じりの涙 虚しい美しさに溢れ 群青の空に消えてゆく 造られたまやかしの理想郷 磨かれた墓石に残る焼跡は 虚ろな悲しみを写していた 鉄の雨は群れをなす 鵺のように街を襲い 狂った炎が戦場と人々を燃やす 叫びと硝煙の 渦に巻かれて 彷徨う地の民は 見捨てられた鬼哭の亡霊