. 胸いたみ眠られず ふるさとは遥か遠く 乱れて落ちる春の雪さえ 心にうれしく静かに目を閉じる 雪の音 聞く夜更け そらぞらしい 街あかり 道ゆく人の話声だけ かすかに ひびいて 聞こえる 一人枕 古い手帳の 君の名前も 今では静かに 見れる夜 ひとしきりため息を 手にとりし古本の 破れ表紙に黒いインクで 綴るは意味さえわからない言葉 いたむ胸 押えつつ 寝返えりを打って見る 時計の音がやけに気になる 最終電車も今しがた走り去った 古い手帳の 君の名前も 今では静かに 見れる夜 鳴るはずの ない電話 出すあての ない手紙 雪にこの頬うずめるような 激しく燃えるような 恋ならしてみたい