Track by栗原 淳
肌寒い夕方 人気のない通りを 並木にみちびかれるまま 歩いて行くと ガードがあって 踏切があって そのむこうにわたしを 待つ人が見える 急ぎ足で とても素早く行き着いて あの人を燃やして しまわないようにしなければ 夜の小道に 光るしるしがひとつ、ふたつ 光りにみちびかれるまま歩きつかれ ベンチに腰かけ うしろの方から わたしが待つ人の足音が聞こえる 気がついてすぐ とても素早く振りむいて あの人を燃やして しまわないようにしなければ