ガラス越し 埋め立てた港の 船の灯りを ずっと数えてた 夕暮れは カシミヤのオレンジ 辛い出来事さえも 忘れそう 暗い波は螺旋形 ゆっくりくずしてゆくのは あなたね 見えない 見えない 今夜のことも 明日のことも きっと 心の中に わたしはいない あなたの名前を 砂のページに刻みつけて 風が 消してゆくのを ひとり そっと 見送る 海鳥が描く 円の中に すうっと すいこまれてく バルコニー 二人でも さみしい日もあるわ 夢はいつか かなえて ねえ それだけ 雲の流れ 目を閉じて 胸に運命乗せるの サヨナラ できない できない 出逢ったことを うらむなんて 今は 代わりの恋を 待っているだけ あなたの すべてを 砂のページに綴り終えて 白い手帳をとじる 二度と 戻らないのね 見えない 見えない 今夜のことも 明日のことも きっと 心の中に わたしはいない あなたの名前を 砂のページに刻みつけて 風が 消してゆくのを ひとり そっと 見送る