あの夏あなたはランニングシャツ 小川で沢ガニとって遊んだ 何にもわからずあとを追いかけ 転んで泣いてた私がいたわ あなたにおぶられ夕焼け道で 広くてやさしい背中感じた 遠い日の夏休みもう帰らない カタコト首振る古扇風機 私は髪の毛風でとかした 浴衣の姿を見せたくなって あなたを祭りに誘ったものよ 線香花火に浮かんだ顔が 暗くて淋しい夜に消えたわ 月日は流れて暑中見舞が あなたの結婚知らせてくれた つめたいインクの整った字が 私の心をブルーに染めた 真っ赤なクレヨン 乱暴な字で 私が好きだと描いた絵日記 遠い日の夏休みもう帰らない