砂ん中の夏はどうなった あほらしと吐き捨てて 真夜中の街が鳴っている 海鳴りのようにして 風がみんな連れて行ってしまう 頬を撫でるふりをして この胸の痛みでさえも 疑わしくて笑けた 枯れ草の草原を どこまでも息が切れずに 走ってゆける気がした 踊る影を見ていた ここじゃ言葉は ただの音になる いつかまた会おうぜも ただの音になる 風が止まる 空気のフィルムが静かに 手のひらに吸いつく さようなら糞野郎 すぐにまた陽に灼けた その腕を強く伸ばして 歩いてゆける気がした 夜は音もなく来た 枯れ草の草原を どこまでも息が切れずに 走ってゆける気がした 奪え 惜しみなく レインボウ