今日も雨が止まないから 君が去った部屋でこれを書いてる 庭に咲いた紫陽花もどっか悲しそう なぁ せめてお前は凛としといてよ こんな無気力な日々でも 生きている以上腹は減るし 一人で使うにはだいぶ オーバーサイズな 冷蔵庫に詰めた未練を食らってる 炭酸が苦手な僕を 横目にサイダーを呷る君の あの得意げな顔も そのあとの潤んでた目も 忘れられそうにない 今年の梅雨が例年より 湿って思えてしまうのは きっと僕の涙のせいだ それを隠すようにサイダーを呷った いつか晴れ間がのぞいても 君がいないんならそれは雨で 二人で使うにはだいぶ小さい傘から はみ出して濡れてた肩が恋しい 僕が毎晩のように チョコミントを頬張っている時の 君のしかめっ面は だいぶ不細工だったよ そんなことばかり想う 分かっていたけどさ 初心な君の火照った顔も純な温度も もう僕のものじゃないんだよなぁ 雨は上がりそうもないな 「時間が経てば」とかまやかしだ 去り行く君の背中を攫う 花吹雪が未だ鮮明なまま 止まない雨だってあるみたいだ ねぇ 最後のあの笑顔はズルだ 「泡になってしまえ、 全部全部全部、もう」 そう言って飲み干したいんだけど 駄目だ 僕はやっぱサイダーが嫌いだ