たたら踏みつけるたび 夜空が泣いて 星をぽろぽろと堕とす 細いかかと木靴の底 火花ちるたびに目を焼く あなただけが眠ったまま 海を渡る 咲かない薔薇の棘に触れたい 流れた血の紅で染まりたい あなたの目にひとたびでも うつるなら 吹子から吹く風 タタラ 長く引く火の尾 ゆらめく影のホト 燃える野薔薇 さわれない水面には無限と うつろうのはあなたの身一つ 降らない雨 のぼらぬ月の 居場所で待っている ひとつ ふたつ タタラ鳴らす みっつ よっつ タタラ鳴らす あなたのため幾度でも 海を渡る 東から吹く風 タタラ 消える前の火の尾 ゆらめく夢の房 求めるなら 吹子の軋む音 タタラ 憧れの火の尾 きらめく星の河 燃える野薔薇