布団泥棒の私を 隅に追いやるベッド泥棒 どっちもどっちだけど ちょっとあげるから もうちょっとそっち行ってよ 寝ぼけて差し出してきた左腕 使っていいかわからんで 窓開けて 雨上がりの風 吸い込んだ 外もう昼だよ そろそろ起きよって 振り返ったら 伸ばしたままの左腕と 私の抜け殻 いつでも戻れる場所が あるみたいで 間抜けに開いた口が 笑えるのに泣けた 寝返りもしないままの左腕 使っていっかって思えて 窓閉めて 抜け殻の中へ 吸い込まれた ぐうぐういびきも 隣にいるよって 安心してしまったな 眠ったまま空いた右手で 掛け直してくれた いつでも戻れる場所が あるみたいで 高すぎる体温が 笑えるのに泣けた 布団泥棒の私と 隅に追いやるベッド泥棒は もういないね ちょっと暑いけど ちょっとうるさいけど 痺れてたらごめんけど もうちょっと いてよ