傷つけるためではなく 林檎を剥いてあげるナイフ 途切れずに上手に剥きましょ クルクルと 真っ白な布を糸で縫い合わせて 身にまとい踊る キツネの嫁入りの歌 真っ赤な林檎の皮をむく 僕の手では ナイフにおびえて真っ青な顔の林檎 真っ赤な皮でできた道を とてもキレイねと花嫁が 幸せそうにヒラヒラと 踏みつけながらクルクル遠ざかる 思春期の空 笑う君の心の片隅に僕はいますか? 思春期の空 笑う君のカスタネットに 合わせて踊る 赤 青 二枚では織り成せないリズムだと 真っ白な手の中に隠した虹色カスタ 明日が晴れでも嵐でも 夜は真っ暗なトンネルさ 電波の届かないトンネル 声は響き、孤独を誘う 思春期の空 架かる虹の七色混ぜ合わせ できたは夜の色 三日月のそば 笑う君の虹色カスタネット 朝を呼んでくる 君は快晴 どしゃぶりの僕の手のひらの中では 林檎が回る 傷つかぬように回るその姿は 天気雨に踊る僕に似ている 今日も幸せに暮らしてますか? 思い出す瞬間が仮にあったならば その一瞬も笑顔でいてほしいんだ 思い出し笑いでも僕は幸せだから 赤 青 青空 茜空 赤 青 また会おう 赤と青