離れてしまった心と心を 行き交う朝の喧噪に探した 「ここで良いから」と信号待ちで言う 見慣れた横顔 見えなくなる顔 始まる前のように 同じ世界に居ないように 出来るかな したくないな 失う直前 急に現実になって 言葉は喉に引っ掛かって 青になる 動き出す 微笑む君が言う 二度と 会わないつもりの「元気でね」 最後に優しさはいらなかったのに 「さよなら」とか「じゃあね」とか 糸を切るように離してよ ねえ 会えなくなるから「元気で」と 最後まで二人想えるなら 手は離さないまま それで良いのに 遠くなる いつでも後から寂しくて 終わらせたのは誰? 先に目を逸らしたのは 意地を張って ムキになった 私の方で 急に愛しさが勝って 言葉がやっと声になって 赤になる その前に 君の名を呼びかけた 二度と 会わないつもりの「元気でね」 そんな優しさが大好きだったこと 「ごめんね」とかその前に言わなくちゃ‥ 会えなくなるから「元気で」と 気付けなくなるから「元気で」と 「さよなら」とか「じゃあね」より 大事なものを教えてくれた 会わないつもりの「元気でね」 言わせるまでわからなくてごめんね 点滅する信号が赤になる 直前で 振り向いて 手を振った 君はまた微笑んで 『元気でね』