そうよ、ヒロインならね、 可哀想でいなくちゃね。 クラスで1番可愛いあの子の 左手首に バーコードが刻まれているって 同情と憧れを全部引き寄せて あっという間に 悲劇のヒロインになる 「ねぇ、あの子うざくな〜い?」 「分かる〜!絶対狙ってるよね」 「騙されちゃうなんて バカみたい〜」 「一周まわって可哀想かも〜」 意地悪な継母は私を強くしたし ノイズとストレスが私を 可愛くしたの シンデレラストーリーに その続きがあったとしたなら ハッピーエンドなんて ナンセンスだと思わない? いつまでも 幸せに暮らしましたなんて、嘘! ヒロインはいつだって 悲劇のセンターだもの いつでもちょっと 死にたいくらいのバランスが つまらない日常を彩る スパイスになるから 「さっすが〜!」 「知らなかった〜! 物知りなんだね!」 「すっごぉ〜い!」 「センスありまくりじゃん〜!」 「尊敬しちゃったかも〜!」 下手くそな幸福は 退屈とイコールなの 生きてるって実感は痛みと 共にあるの シンデレラストーリーを もっと完璧に仕上げるなら 可愛いも可哀想も全部独り 占めしたい 嫌いな過去全部 スワロフスキーに変えたら ほら、みて! 私の涙もダイヤモンドになる 絶対!悲ロイン♡ そうよ、ヒロインならね、 可哀想でいなくちゃね。 シンデレラストーリーなんて 綺麗事で片さないで この輝きは血と汗と 涙でできているの 愛されたくて泣いた あの頃の私に会えたら 悲劇ごと愛される日が来るって 伝えるわ だって私、シンデレラ!