鳥籠の中 囁くように歌っている カナリアの子守唄が途切れる ライ麦の海を 魚みたいに泳いでゆく 雪溶けのその肌に 血が滲んでゆく 夏のため息が 命を奪う頃に 大人になるから 君のことは忘れなきゃ 愛してるって何度も 言ってくれたよね もう今は君のこと 思い出せないよ 加護から出ても この空が広すぎるから 君は羽ばたくことすらできないでい る 命の終わりが 夏を奪うまでに 大人になったら自由が何かわかると 思って 信じて過ごした日々が君を そこに閉じ込めた 美しく透き通る君の瞳を見ていた 大人になって 何か変わったかい? 白い肌に血が滲んで その味を僕はまだ忘れられずにいる もう君は僕のこと思い出せないね