黎明を彷徨う浮浪者 地面にへばりつくビル 鉛のように沈黙するゴミ 色めき立った景色の隙間を縫うように、 それは君の心を占領していく。 それらは時に人を狂わせるほど美しい。 人々の抱いている価値観は多様。 しかしランダムな分布ではない。 国や地域や文化圏ごとに何らかの傾向がある。 それは時代が築き上げた圧倒的な伝統、 大衆が作り出す熱狂への無抵抗。 そう、いたってまともな感覚だ。 その紙の様なペラペラの熱狂の中、 君は全身を口にして辛辣な言葉を垂れ流す。 その言葉は多くの者の琴線に触れ、また大衆を産み、 飲み込み、膨らみ、熱狂していく。 揺らぎ巡る君の中のそれ。 いつだってそっと世界纏って さあ、次の時代の種を蒔いて 色めき立った景色の隙間を縫うように、 それは君の心を占領していく。 今まさに漂ってる独特の共有感は、深々とした夜、 共に海に浸かるあの感じによく似ている。 音のない好奇心。 突如満たされる空虚。 今夜、空間と五感を分かち合い、 むき出しの感性を咀嚼し、ざわめき、恍惚とし、 また考えに沈む。 一瞬足りとも気を抜けない。 我々は文化という流動的な共同体である。