抒情詩を語る君 そっと唇を動かし 「私は儚い燈」 燻る奥ゆかしい瞳の炎 薄っぺらな私を 燃やし尽くす 惹かれてしまう 差し出す金貨も無く こちらの手札は全て見せた 薄化粧の月と 琥珀の夢 仮面のペンキを剥がす 今だけは外して 真っ直ぐ あなたを見つめる 隙のない生活 削り 削られ 残った骨と皮は 死を描いた魂 ここに生き続けるんだ 燈よ燃え続けておくれよ 微かな光でも 私を照らし 続けて 真実の闇に 僕は勝てない 街灯も月灯りも 無い世界 生命はすぐに尽きて しまう 誰も 頼らければ消えていくだけ あなたと共に 歩めない人生と知った 瞬間から見えない鎖は 次第に太さを増す 「あぁ 私の首を締め続け このままくたばって仕舞えば どれだけ良いか」 土足の空気が肺に流れ込む 青い僕の心 焼けず 燃え上がるまでには至らない 僕がもし枯木ならば あなたの火を大きくできたのに 生まれた 世界が 同じだったら 共に息をして 輝きをともせたのか 魂を残し続けたのか 燈よ燃え 続けておくれよ 微かな光でも 私を照らし続けて 真実の闇に 僕は勝てない 街灯も月灯りも無い世界 生命はすぐに尽きてしまう 誰も頼らなければ消えていくだけ 「私は儚い燈」 終わりの向こうが 見える そこは僕の居ない世界 空から見下ろす リンドバーグの心像のように 揺らぐ視界に 死を描いた あなたの記憶を持つ 私は 他の誰かの 燈になれるのかな 燈よ燃え 続けておくれよ 微かな光でも 私を照らし続けて 真実の闇に 僕は勝てない 街灯も月灯りも無い世界 生命はすぐに尽きてしまう 誰も頼らなければ消えていくだけ