駈けるより空を飛ぶより速く 目指す遙かな地へと流れる風が 丘の上 佇む僕の耳に そっと囁きかけた透明な詩 「歩き出せ、旅人よ。 常闇の中でも その瞳に灯りを 燈して進め。」 嵐の如く奪うシンフォニア 鮮明に高らかな歌声のように 心を攫(さら)ってゆく あぁ一筋の矢 夜を切り裂いたシンフォニア 天明に朱く色を付けていくように 光を散りばめて あぁ世界は目覚める カラカラに渇く喉で呼んでいた 「どうか…やさしい風よ、 包んでくれ」と くちづけを乞うた この唇を そっと撫でては消える 祝福の詩 「憶い出せ、旅人よ。 眠れる祈りを。 我等と共に在らん、歩みの限り。」 谺(こだま)の如く響くシンフォニア 鮮明に高らかな歌声のように どこまでも遠くへ あぁ一呼吸で 命をもたらすシンフォニア 永遠に まるで夢を視ているように 物語は続く あぁ朝も夜もなく どこまで行けるか 何故に生きるのか 声なき祈りは風に乗って 君に聴こえるかシンフォニア 鮮明に高らかな歌声のように 心を攫(さら)ってゆく あぁ一筋の矢 夜を切り裂いたシンフォニア 天明に朱く色を付けていくように 光を散りばめて あぁ世界は目覚める