月光に暗雲 静寂と少女 夜の隙間 空虚な不協音が響く 朧げに揺れている影は寂しそうに 街の中へ溶けた 希薄になる呼吸が視界を眩ませる 纏い付く感情に蝕まれていく 最低だ 嫌いだ 苦しいよって哭いて 宿したこの命をぞんざいにした 恨んで 拒んで 吐き出した 不浄も雑踏に呑まれた 孤独な生存者 月光に歓楽 喧騒と大狼 夜の隙間 陳腐な交遊で賑わう 疎ましさが増した影は軋みながら 街の中を裂いた 絶え入るような声が耳を掠め振り 向いた 横切った幽明な目に涙が浮かぶ 最低だ 辛いよ 消えたいよって哭いて 蔓延った失意に崩れ落ちた 呪って 憎んで 溢れた 共感を気鬱に見ていた 臆病な傍観者 小雨がちらつく 傘も差さないまま 中層ビルの屋上に少女 その先で 最低だ もういいや 限界だって哭いて 不完全なその命が完全に割れた 張り詰めた糸も切れて 空に足が伸びる 大丈夫 責めないで 大丈夫って諭して 抱えて飛び去って抜け出した 何時だって間違っている方は世界だ 明けへ駆けた 孤独な救済者
