ホントみたいな嘘ばかり 頬張り続ける世界で 嘘みたいなホントばかり 抱えた君は窮屈そうに 笑った 元気すぎるこの身体に 飽きた頃に熱が出ると なぜか妙に嬉しくてさ 大きな声で 母の元へと駆けた 心の色、形 まるで違う 二つの魂が混ざった時 何が起こるかな あといくつ心臓があれば 僕は君の手を掴んで この胸の中に 攫(さら)えるだろう 今や人類はこの地球を 飛び出し火星を目指す なのに僕は20センチ先の 君の方が遠い 小さすぎるその背中に 大きすぎる運命背負い 「僕も持つよ」と手貸そうにも この手すり抜け 主の元へと帰る 目を離したらすぐにまた いびきをかきはじめる僕の 細胞起こしたのは あといくつ心臓があれば 君にこの気持ちを 過不足なく僕は 伝えられるのだろう 今や人類を超える知能が 生まれているのに 僕の言葉は足踏みを ただ繰り返す 全人類から10分ずつだけ 寿命をもらい 君の中どうにか 埋め込めやしないのかい それか僕の残りの 命を二等分して かたっぽをあなたに 渡せやしないのかい そしたら「せーの」で 来世に 乗れる あといくつ心臓があれば 僕は君の手を掴んで この胸の中に 攫(さら)えるだろう 今や人類はこの地球を 飛び出し火星を目指す だけど僕は20センチ先の 君だけを目指す この一つの心臓が声の限りに叫ぶよ 「あなたは私がこの世界に 生きた意味でした」