猫が椅子に泰然と構え じっと観ているこちらの模様を 四分刻みのアラーム直ぐに 消しては寝る人間の諸行を 今日は遠く小さい都市で 大きい規模の戦争が起こった ニュースを読もうと 端末を取り出す所で終電へ潜った けれど知らないみんなの匂い 密閉された電車のなかで 徐ら深く安心してしまい 電話はポケットを泳いだだけ 猫は干支や星座に居ない… 重大な役を全うしての免除 眼で諍いを吸い尽くし 転送をするブラックホールまで だからきっとあの国は 長年採用していないと思う猫を 間違いない 人間の考えなど 結局勝ち負けばっかあーあ わざわざ幻想を追い回して 損得勘定最優先ちょっとも 割りを食いたくないと 後でいくら弁解したとて人間は所詮 尊大なままやはりやったことが 全部だ何も云わぬ 猫の手は借りて