最期の夏の 入り口に立っていたのは ナイフを首から ぶら下げた 青い魂 大きな瞳で世界を睨む どこまでも澄んだ 碧 仲良しなどとはとても言えない この『毎日』に あまりに突然にさよならを 切り出された 好きでもないのにフラれた僕を 君は横で笑う 希望の類から一番 遠い場所で待ち合わせしたんだ 誰にも踏まれてないままの まっさらな雪の上みたいな 銀色のプールに 青い孤独がふたつ 重ねた唇の 終わり方も知らず 僕らは奇跡にも 及ばない光 それでもいいと今夜は 君を眺め想う 人生初心者 丸出しの 小さな戦士 舞い上がるスカートを翼にかえて 生きる今日も たまに上手に生きられた日には 隠れて笑ってみた 星を見上げて笑うことも ありがとう、 ごめんねを使うことも 一度としてないままに僕ら 月にも内緒で 世界を抜け駆けた 飽きもせずに空は 今日も青いから 昨日も通り雨に 助けてもらったよ 「無様にもほどがある」 誰かが遠くで言う じゃあ誰に教わればいい? はじめて生まれたんだ 宇宙のまばたきの間の 刹那に 恋をしたよ 銀色のプールに 青い鼓動がふたつ 重ねた唇に そっと思い出したよ あなたは僕がたしかに 生まれ落ちたあの日 この手からこぼれ落ちた この僕の片割れ はじめてしがみついた この世界の袖 振り払われようとて 握りかえしたよ 僕らは 奇跡にも 及ばない光 それならいっそ僕ら それならいっそ僕ら それならいっそ僕ら それならいっそ僕ら それならいっそ僕ら