私たちが思うよりもこの世界は 優しくないから せめて 私くらいはあなたのそばにいたかっ たんだ ザラついた 手触りの言葉であなたのこと汚した 私は 妙に目にしみる 茜色に縫い付けられたままで 動けないままで きつく 抱きしめてくしゃくしゃになった あなたの孤独を見つけたのに もう傷つける 場所もないあなたの心臓が 切なくなるくらい柔らかく音を 立てて 酷く膿んだ傷を押さえながら それでもあなたは 笑っていたのでしょう それがどうしようもなく嫌なのです せめて私の前では泣いて欲しいのに ボクたちが息をする 世界はもうとっくに壊れていたけど それでもあなたと 見たその色はただあまりにも 美しかったんだ 歩き方を忘れた私たちはどこまで 行けるのかな どこにも 行きたくないのならそれでもいいよ ここで話をしようか 何も話したくないならここから 見える景色を見ていよう 何も見たくないのならずっとこのま まふたり目を閉じていようよ あなたがいればいいよ その躰の真ん中で軋んで割れそうな 噛み殺した声が聞こえて走り出した 私が今すぐそばに 行くからあなたはあなたのままで 待っていて その指先が体温(ねつ)が触れた ボクの心臓は 隠せないくらいにあなたへと音を 立てて 酷く爛れて濁っていた空さえ 切なくなるくらい透き通って見えた 私たちの心臓が音を立てて 重なるくらい近づいたなら 壊れたままで進んで行く世界の中 それでもふたりで息をしている