春の電車に揺られながら ぼくはどこへ行こうというのか 乗客はまばらに座って 誰もがみんな楽しそう mm… 夏目漱石の文庫本 こころの続きを読もうか それとも車窓に広がる 初めての奇跡を眺めていようか mm… 巻き毛の少女が駆け寄って来て あなたにもチェルシーあげたい チェルシーを口にほうりこむと 甘い子供の味がした 携帯電話の音は鳴らない 女子高生のおしゃべりもない 羽織袴のおじいさん こっくりこっくり居眠り ガタンゴトン線路は続くよ 知らない町を通り過ぎるよ うららかな陽気に包まれて 春の電車はただ走るよ mm… ねぇ車掌さんこの電車は 海岸線を走りますか? 桜はもう咲いてますか? ぼくの時計はくるってますか? mm… つやつやに屋根が並んでる バイクの後ろで若者が手を振る 考え込んでばかりいても しょうがないと鳥がまわる 差別なんて誰もしない 戦争なんて起こりはしない 居眠りおじいさん手荷物を あれあれ床におっことした ガタンゴトン線路は続くよ 知らない町を通り過ぎるよ うららかな陽気に包まれて 春の電車はただ走るよ mm…