懐かしさの匂い 人が思い返す 初めての香り はずかしさの匂い 母みたいな温もり 柔らかな味 満月より少し欠けた月、好きよ 夜でもない秋でもないのに 金木犀 身をゆだね かすみさえしない 蛍光灯の朝を "愛と執着を履き違えるな" 画用紙みたいな青を見つめる 不機嫌そうな君の中に 他人へじゃない、 君が君に向けるナイフが 見えてしまう 持たなきゃ生きられないならいっそ 降る雨に刃がついていたら いいのにな 同じほどに血を流せたら いいのにな あゝ 夏はきみのなか あゝ 夏はきみのなか あゝ 夏は いつでもいつでも きみのなか あゝ 夏が夢ならば どこへ行こう? あゝ 夏はきみのなか あゝ 夏はきみのなか あゝ 夏は いつでもいつでも きみのなか あゝ 夏が終わる前に 忘れなくちゃ