待ってて、彼岸で

歌詞

揺れる波のように穏やかで良い。 暮れる夕のように緩やかで良い。 いつか深い深い底、 沈んでしまうなら、 こんな身体ごと溶かして欲しい。 咲いてない花に価値なんて 無いと云うでしょう? 皆んなと違う姿は 見苦しいでしょう? 記憶は 淡い淡い理想のように不完全。 掴んでは溢れて、歪んでく透明。 ただ綺麗なものを綺麗だと 思うこと、 それすら何故だか 悪いことのようで、 触れないところを心と呼ぶなら、 この胸を割けば見えるのだろうか。 痛い。暗い。 満たせない。 この無数の泡の 一つにだってなれない。 ただ僕を知りたい。 何処から来たんだろう。 何処へ向かうんだろう。 波の音に全部掻き消される。 誰かの為に生きるのを 強制されているみたいだ。 この小さな水槽の中じゃ 息すら上手くできないの。 どうにもならない悲しみも 洗い流して、 遠くへ行きたい。 そっと目を瞑ってみても、 変わらない日々が痛いよ。 呼吸の仕方を覚えた浅瀬を歩いた。 つま先が濡れても、 少しも嫌では無かった。 余りにも青が鮮やか過ぎたから、 これが都合の良い夢だと 気付いてしまった。 未来にさえ希望がない箱庭の中じゃ 身勝手な願いすら 許されないんだろう? 誰を憎めばいい? 誰のせいにすればいい? この世界に居場所が欲しいのに、 この世界のことが怖い。 愛されたいと願うのも、 今では馬鹿らしく思えた。 何も感じないまま生きれば、 きっと苦しくもならないの。 夢を見てたって仕方がないんだ。 ただ必死だった。 誰かの都合で生まれた命は、 こんなに大きく育ってしまったよ。 化け物みたいな姿でごめんね。 もうすぐ全部終わるよ。 穏やかな海を見て安堵した。 今度こそあの日と同じ青だ。 誰の記憶にも残らなくて良い。 幼い日の僕へ。 笑顔で待ってて、彼岸で。