今 重なる 音 解ける 魔法 円環 幾度 閉じ込められてる 私。 喧騒は彼方 潜行する夜半 霞んだ意識の畔で 煤けた彩度で 満ちるこの部屋を 星が照らしている 夢遊病のフリをして 君に会いたい 話がしたい 夢遊病のフリをして 美味しいケーキとか食べたい 夢遊病のフリをして あの日のことも ただ謝りたい 夢遊病のフリをして 本当はそんなこと 気にならなくなりたい、 のに。 また ぶつかる 音 落ちゆく 砂 点 線 鍵 弦 月の裏側の 君に。 幻想の最中 形容さえ蒙昧 不可思議な海の岸辺へ ガラクタの山で 満ちたこの部屋の すべてがそこにある 夢遊病のフリをして 横たわりたい 目を瞑りたい 夢遊病のフリをして 決断を放棄していたい 夢遊病のフリをして 諦めたこと ただ忘れてたい 夢遊病のフリをして 本当はそんなこと とうに気にしなくていい、 のに。 夢を見よう 寝ても醒めても 夢を見よう あの日見た 流星のしっぽが まだ 瞼の裏 煌めいて 夢遊病のフリをして …… 夢遊病のフリをして …… 夢遊病のフリをして 君に言いたい 聞いていてほしい 夢遊病のフリをして もう少し 君とただ もう少し生きてたい