「風」 風のなかに君は立っている 「立っている」 強い風のなかに 「風のなかに」 砂まじりの風が君を打つ 「ああ、君を打つ」 君はひとりきりで 「闇に」 立ってる 「立ち尽くしてる」 悲しみは真っ直ぐな証拠と 君は言ってた 苦しみさえも素晴らしい経験に なるんだよ 「ああ、苦しみの石の磔。 ああ、その瞳、めしいて」 心から愛した人たちも 君の前から立ち去っていく あの人さえ遠くへ走っていった 「涙、溢れて」 「霧」 霧が深く深く立ちこめて 「立ちこめて」 なにも見えない 「白い闇に」 君はひとりきりで待っている 「ああ、待っている」 人の言葉を 「高く」 超えて 「超えて」 届く声を待っている 「待っている」 君はひとりきりで 「いまぞ」 待ってる 「響きわたるは」 「聲」