目が覚める前に花はひらいて 胸に刻んだならそっと家を出る 読みかけの本は床に伏せたまま 朝霧の駅に汽車は滑り込み つむじ風みたいに僕らをさらってっ た なけなしの言葉と切符は握りしめて きた 流れてゆく日々の中で 見つけたり失うだろう いつしかそれを旅と呼べるほどに ここから遠くへ行けるだろうか 振り切られたのは名もなき古い町 路地に木漏れ日 心に日溜まり 光の只中で永遠を感られたなら 夜を迎える前に荷物を降ろして 窓辺に座れば誰を想い出す 月を仰ぐ頃には君の花が咲くかな 継ないでゆく日々の中で 出会ったり別れるだろう いつしかそれを旅と呼べるほどに ここから遠くへ 巡り巡る命の中で 何度でも僕らは出会うだろう いつしかそれを愛と呼べるほどに ここまで遠くから来れるだろうか 伸ばした指先が 今を離れて 未来へ触れた 終わりなき道の途上で 終わりなき旅の途上で