風の匂いが変わって 歩き方さえぎこちなくなる 昨日を捨てたはずの靴底に まだ少し泥が残ってた こんなにも「伝える」が 難しいのなら 言葉も意味もない場所へ 逃げ出してしまおう それでも耳の奥で 誰かの声が響いてる 消えかけた祈りのように 名前だけを呼んでいた ひび割れた心が 乾く前に 誰のせいにも出来ず ただ滲んでいく 逃げるほど 形になる 失くすほど 近くなる 思い出の残り香が 背中を押して離れない Побег これは救いでもなく 終わりでもない ただ、呼吸の延長線 見えない場所に置いてきた 言葉たちが芽吹いてる 忘却の中でさえ 君の影は呼吸をしてる 割れた水面に 触れた瞬間 映った顔が 誰なのか分からなかった 願いと諦めの ちょうど真ん中で 心だけがまだ 動いている 逃げるほど 形になる 失くすほど 近くなる 思い出の残り香が 背中を押して離れない Побег これは懺悔でもなく 再生でもない ただ、まだ終われないだけ 手放すたびに 何かが芽吹く その優しさを 憎めなかった もし生まれ変わるなら 忘れるためじゃなく もう一度 覚えていたい 逃げても逃げても 残るものがある 名前のない感情が まだ脈を打っている 終わりを願うほど 乾いた季節こそ 始まりが疼く 忘れたいほど 生きていた証拠 Побег 僕はまだ 歩き続けている
